カテゴリ:王国正史・フェルマー伝( 12 )

十字軍演習 その知られざる背景

クルセイダーの本懐とは、守ることにこそある!
愛する人、家族はもちろん、
この城、この土地、この国の人々を守らねばならぬ。
神の教えと教会も、守られるべき心の砦である。

だが、
何より己自身の命、
己自身の誇りと矜持を守れずして、
どうして神に仕える騎士を名乗ることが出来ようか!?

諸君!
剣を取れ!武勇を磨け!
書を読め!智謀を備えよ!
我々と共に、王国の繁栄を守るのだ!
グランドクロス!!
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 クルセイダー創設時より、十字軍の在り方については議論が絶えなかった。
 教会を守る秩序の盾としてのクルセイダーを提唱していたのは元老院、これに対し枢機院は、異教徒に対する遠征や異端者の排除を使命とする真理の剣として、外向きの戦力にしようとしていた。
 両院の主張が平行線のまま、いたずらに時を費やしている最中、枢機院のタカ派が提唱したのが、十字軍運動・・・あるいは十字軍演習と呼ばれる集会であった。

 樹々の緑が色濃く映える初夏、ゲフェン西門に集結し、グラストヘイム遠征などを行う十字軍の集会の、記念すべき第一回が行われたのだ。
 枢機院急進派の独走だったため、当局がその動きをキャッチできなかったというのが元老院の公式見解だが、意図的に我々に知らせなかったと見る向きもある。

 その証拠に、特務監察室に報告が入ったのは、翌日の真昼だった。

 室長・ベントラー大佐と違い、私は十字軍の理想に燃えていた。思想的に対立する勢力の主催であったとしても、クルセイダーの矜持を持つ私には参加する義務がある。
 当時は、そう信じて疑わなかった。
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 枢機院過激派の監察と同時に、十字軍演習を調査する専任のチームを設け、私自身が班長となってその動きを追った。


 そして、第2回十字軍祭の開催日を突き止めることに成功。意気揚々と、自説を抱え会場へと向かったのであった。
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 その後の十字軍演習は、
 両院の思惑を超えて、十字軍騎士たちの関心を集めた。
 私の予想を越えて、イベントとして盛隆を極めた。

 クルセイダー同士の情報交換や交流の場として、
 十字軍祭という名で、
 広く大陸全土に浸透して行ったのだ。

 しかも、その早きこと、まさに風の如しであった。
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by fellmer_folkgein | 2006-02-23 22:29 | 王国正史・フェルマー伝

廃坑編終章 某国諜報機関との死闘と特務監察室の最後

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国家に真の友人は居ない。
そこにあるのは、利害の一致と利権の対立。
そしてその結果生じる戦争と、
その合間に生じる束の間の平和。

それだけだ。




話は少し前後する。
十字軍遠征が本格化してきた頃の話だ。

廃坑巡回の最中に、ある異変に遭遇した。監察官の一人が、満身創痍で逃げ延びてきたのだ。
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支援職の実力派であった彼を追い込んだものは何だったのか、私はすぐさま廃坑へ飛んだ。

第一次・諜報戦争勃発とその顛末
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by fellmer_folkgein | 2006-01-29 15:10 | 王国正史・フェルマー伝

ミョルニール炭鉱、その閉山の真相に迫る!

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諸君!
これは聖戦だ!!
我らが守るべき市民のために、
そして王国を勝利のために
成すべきことは、
最前線で戦う兵達から、
後顧の憂いを無くすことにある!
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それが、
我々情報将校に課せられた使命である!

強大な力を持つ貴族、高官、将軍であろうと恐れる必要は無い!
どんなに小さな犯罪の芽も見逃すな!
手段は選ばずとも良い!
歴史の必然が、
我々の行いを正当化するであろう!!



パチパチパチ・・・
乾いた拍手の音が、寂しい宿屋で虚しく響く。
「やっぱこういう演説は、お前がやるとサマになる」
「せっかくのほめ言葉ですが、これはあなたの役目なのではないかと」
廃坑探索を開始して早3ヶ月、我々は予想を超えた成果を挙げ、そしてその結果に落胆していた。
「俺らがこうして監察してるという事実、それ自体が汚職への抑止力になるんだ。そう腐るなって」
師・ベントラーの前向きな言葉も、そのときの私には詭弁にしか聞こえなかった。
いったいそこには、何が眠っていたのか。
いったいそこで、何が起こったのか。

その時、歴史は動いた。。。
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by fellmer_folkgein | 2006-01-22 13:27 | 王国正史・フェルマー伝

廃坑に眠りし、何かを求め・・・

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ミョルニール廃坑とは、
ゲフェンの北、
あるいはアルデバランの東に
発見された、
炭鉱の成れの果てである。


 しかしながら、
  そこに眠る資源はいまだ豊富であり、
   冒険者たちの手により持ち帰られた鉱石類が、
    莫大な富をもたらしているという。

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 冒険者達よ!
 そして聖戦に備える者達よ!
 己の使命を全うするために必要なものが、この場所に眠っている!
 危険と困難を乗り越えて得られる財産は、諸君らの血であり、肉である!
 若人よ、廃坑を目指せ!


 このような訓示を、新米の冒険者には必ず言って聞かせている。かく言う私も、かの地で財を成し、そして今の地位への足がかりとした経緯を持っている。

 鉱毒に汚染され、危険なガス状の怪物にが発生している。
 坑夫たちの屍骸も、ゾンビとなって徘徊している。

 危険なダンジョンと化しているが、その最深部まで足を伸ばし、生きて戻って来れば一人前である。

さて・・・

利権には謀略が付きまとう。


 資源ばかりか、財宝まで眠るという鉱脈を封鎖した意図。
 閉山後、坑内を迷路に作り変えた意図。
 発掘に正規の部隊を出さず、冒険者を雇う王侯貴族たちの意図・・・。
 そして、
 鉱山に関わり命を落とした官・民・武人たちの遺図

 複雑に絡み合う権謀術数が、
 巨大な悪となって我々の前に存在しているに違いない。

元老院特務監察室は、総力を挙げてその調査に着手したのであった。
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by fellmer_folkgein | 2006-01-09 23:19 | 王国正史・フェルマー伝

経済的逆境と、逆転的発想、そして・・・

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 私が、この男の下に弟子入りを申し込んだとき、すでに特務機関の存在意義は薄れつつあった。

 発足当初こそ、元老院並びに国王の密命を受けていたとは言え、彼には忠誠や信仰といった言葉とは無縁である。自分に対する保険とばかりに、元老院側の醜聞や王宮内部のスキャンダルも、同時進行で捜査していったのである。
 対立する両者の間を、情報を武器に立ち回っていた。
 双方に有益な情報を流しつつ、弱みを握るというやり方で。

 たちの悪い二重スパイを、あからさまに演じていたのだが、己の身を守りつつ任務を遂行するために、やむをえない選択だったともいえる。そしてその結果、国王や両院の思惑を超えて、歴史的な和解を達成してしまったのである。

 しかし、これは言い換えれば砂上の楼閣。
 今後もしっかりとした情報収集を行い、つねに両院や王宮の監視を続けなければ、いつまた破綻を来たすとも分からない。
 そのためにも、組織の維持は必要条件である。

 だが、問題は維持費である。

 私が湯水の如く使う消耗品に加えて、装備品への投資が必要不可欠であった。
・・・・・・そんな余裕は、既に無かったのである。
 お互い、経済感覚は鈍かった。

 そんな時だ、遥か東方の異邦人、奇妙な商人が現われたのは。
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赤傷薬は~
 いかがでござるか~
正規品がなんと~
 2割引でござるよ~
加速剤に蝿の羽も~
 あるでござるよ~


 気の抜けるような声で道具を売り歩くその男の名は、備中長船といった。長船一門といえば、天津では名のある職人集団である。何でも、免許は受けたものの、大陸の刀剣に興味を引かれ、単身渡来したのだという。

 しかし、でござる。
 この国では、
  自分で作った武器は
   自分で売らなければならないでござる。
 商売の基本を学ばなければ、
  工房を持つことすら出来ないのでござるよ。
   不思議な国でござるよ、にんにん。



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 昔は、黄金の国と言われ、
   そこに住む原住民はゴジャール族と呼ばれていた。
 今は、国同士の交易が開かれ、
   交流も深まってきてはいるが、
  実際に天津人を見るのは初めてだった。
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 この出会いが、師リチャード・ベントラーの転機となった。

 調査機関としてさまざまな組織の間を渡り歩く我々が、クルセイダーである必然性が無いことに、この時ようやく気がついたのである。
 組織としての影響力、独自性と独立性を強く保持するに至った今、更なる飛躍と利便性を求め、師リチャード・ベントラーはロザリーを外し、私に留守を託して消えていった・・・

 そして数日後、
 元老院特務観察室長、
   リチャード・ベントラー大佐は、
 退役十字軍元大佐・商人、
   リチャード・ベントラーとなって帰ってきたのである。
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 もっとも、冒険者の宿・ベントラー亭の開業は、
     まだまだ先の話であるが。
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by fellmer_folkgein | 2005-12-18 19:04 | 王国正史・フェルマー伝

元老院特務監察室の誕生

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 この人の活躍ぶり、そして人柄を語るには、当時の世相を解説しておかねばなるまい。

 あの頃、神学協会は2派に分かれて論争を繰り広げていた。
 

  元老院派と、枢機院派である。

神学協会の決定に逆らうことは、
たとえ国王といえど破門の憂き目に会う。
協会トップの権威は絶大であり、
教皇とは神の意思を持つ者のことなのである。



 両院の論争の、最も大きなテーマとなったのが、北の共和国の教化・改宗問題であった。
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 情報の不足により手出しは無用とする元老院に対し、神の教えを唯一絶対とする枢機院は、共和国即時侵攻を訴えていた。
 次々と飛び出す未確認情報、ネガティブな両院の内部情報・告発、そしてスキャンダルなど、論争は泥沼化の一途をたどっていた。

 そして、困ったことに当時の教皇は、枢機院派から選出された人物であった。

 このままでは、教皇の決定によりシュバルツバルド共和国侵攻が規定路線となってしまう。それだけは避けなければならない。元老院派と国王トリスタン3世の思惑が一致した。

 このような経緯で誕生した情報機関、それが元老院特務監察室だ。

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 初代室長には、隠密行動が得意で単独行動を好み、出自に関して謎の多いクルセイダーが適任とされた。リチャード・ベントラーとは、このために生まれてきたようなものだった。


 その任務は多岐に渡っていた。



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共和国の
 情報収集、
枢機院の
 内部調査、

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監察官の
増員育成、

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 さらに監察室の資金調達まで自前で行わなければならなかった。
 無位無官の秘密組織であるため、予算は下りないのでる。

 国王及び元老院の密命、
  それだけがこの組織の後ろ盾であった。


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by fellmer_folkgein | 2005-12-11 13:01 | 王国正史・フェルマー伝

リチャード・ベントラー その苛烈なる人生の幕開け

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 私の自伝を書くに当たって、この人の伝は、絶対に外せない要素である。私はフォルクゲイン一門の異端児であるが、この人は、まさに十字軍の異端児であった。

 その出自には、謎が多い。
 王侯貴族であれば当然だが、市民でも出生の記録は残っているものだ。しかし、この人にはそれが無い。わけあって記録には残せない御身分のお方であれば、噂話の一つも流れて来るものだが、あいにくと、後宮の御婦人方が喜びそうな逸話の一つも無い。

 出身はモロク。
 それ以外の過去は、あまり話したがらないお人であったことから、最底辺の、それも貧民窟の流民出身である可能性が高い。
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 私の転職の際、試験官にこの人の話を聞くことが出来た。我が父に、この人を推薦したのも、このときの試験官その人であったという。
 こいつ、本当に十字軍の試験を受ける気なのか?というような格好だったよ。
 装備は使い込みすぎてボロボロ、武器以外はほぼ手ぶらで、回復材すら用意できないほど金に困っていたと見えたね。
 でもな、好い目をしていたのだよ。目つきは、そう、怖いくらいに鋭いんだが、なんというか、希望の光を宿していたと言えばいいのだろうか・・・。
 ・・・こやつ、只者ではない。そう思わせる何かがあったのだよ。

 まあ、結果は言わんでも分かるだろう。
 仮に、オリデオコン製の武器や精錬された防具が揃っていても、回復材無しではなかなか合格は出来ん試験だ。その全てを持っていない彼に、合格できる要素は無かったのだよ。
 だが、ここで彼の可能性の芽を摘んでしまっては、私の人生の全てが否定されてしまう。そう思ったんだろうな、その時は。
 再試験を受けに来た彼に、合格を告げ、マスタークルセイダーさま宛の推挙状を手渡したのだよ。
 その後の彼の言動や素行を聞くに及んで、激しく後悔したものだがな・・・ハッハッハ

 わが師、リチャード・ベントラーは、神を信ぜず、王を敬わぬ、不敬不遜の問題児でもあったのだ。
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 教会の支援を好まず、遠征にも参加せず、無頼の仲間と戦場を駆け回る日々を過ごしていたのだという。
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by fellmer_folkgein | 2005-12-01 21:16 | 王国正史・フェルマー伝

フェルマー節風結婚式レポ

a0051221_23455631.jpg 2005・11・13、私は生涯の伴侶を迎えることとなった。八神 緋芽・・・毎月の十字軍演習で出会い、共に戦った間柄である。クルセイダーにさらなる名誉を求め、結成した派閥、白十字聖騎士団の名付け親である。


十字軍を愛する心は熱く、演習を牽引する指導力は力強く、そして人望も厚い彼女は、十字軍にとって最高の人材である。
そんな彼女が、私の側にいてくれる・・・
この喜びは、言葉では語りつくすことも出来ぬほどである。

式当日、以前よりテ■予告を多数受けていた我々だが、敢えて敵の誘いに乗ることでその身柄を拘束しようと画策したのだが、敵もまたキレ者であった。
a0051221_0205667.jpg 隊伍が狭路に差し掛かったところで進路と退路を同時に封鎖・分断し、自爆するという凄まじき戦術で望んできたのだ!
ここまでされては、手も足もでない。辛うじて命拾いした我々を尻目に、したり顔で姿をくらましたテ■リスト・・・彼らに勝利するまで、我々の聖戦は続くであろう!


そして、式にご出席いただいた皆様、ありがとうございました^^
あなた方の力添え無くして、この日の喜びは在り得なかった!
今後とも、私たちと共に、明日に向かって歩んでいきましょうぞ!

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by fellmer_folkgein | 2005-11-16 00:37 | 王国正史・フェルマー伝

蒼天に我が道を問う

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 武門としての地位と名誉は、我が一門の今後に必要なものだ。しかし、それを理解しようとしない父上との溝は、日増しに深まっていったように思えた。大好きな狩りでも心定まらず、つい居眠りをしてしまうほどだ。

 そして、運命の前日。

 冬の空は高く、澄んでいた。
  虚も実も無い天空、
   生も死も無き世界。
    我が問いに答えるは、神か悪魔か
     人間か。

 決して優れた詩才とは言えぬ私にまで、詩想をふくらませてくれた蒼天を見上げ、いつしか、自分がちっぽけな存在であることに気がついた。
 人は、簡単に死ぬ。だが、死に難い世の中を作ることは可能であるはず。手段と思想の違いはあれど、考えていることは父と同じはずだ。
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「父上、武将としての教育を受けてこなかった私が、兵卒から這い上がるには、この体に流れる文官の血をすべて流し去らなければなりません。死地という死地を駆け巡り、戦功を上げるまでは、決して生きては帰らぬという覚悟が必要です」
 大きく頷く7代当主。だから止めておけと言いたいのだろうが、私の答えは既に出ている。
「当家の支援を受けられぬとあらば、私は家を出るより他ありません。そして・・・」
 と、私の言葉をさえぎる父。懐から一枚の紙切れを取り出し、手渡した。そこには、二人の名前が記されていた。
「お前が実技試験を通るとも思えないのでな、試験官を丸め込んでおいた。上の名が当日居眠りをする教官だ」
 迂闊にも、私は試験というものがあるのを忘れていた。さらに、
「無事、試験が終わったら、下の名を訪ねて行くといい。幾多の死線をかいくぐってきた男だ」
 その名はリチャード・ベントラー。十字軍制度始まって以来の問題児と言われる男だ。
「そっちには話を通していない。弟子にしてもらえるかどうかはお前次第だ。報酬も、出世払いでお前が払え」
 ライオンは、生まれたばかりの我が子を千尋の谷に突き落とすという。そう、私には手厚い保護より手強い試練こそが必要なのだ。そのことは、次の言葉に良く表れている。
「本日を以って、お前は死んだものと見て、今後当家を運営していく。フェルマーよ、フォルクゲイン家の門は、二度とくぐらぬつもりで往くが良い!」
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by fellmer_folkgein | 2005-11-06 09:48 | 王国正史・フェルマー伝

フォルクゲイン一門の真髄

魔導力学:アーノルド・ウィンチェスター曰く
 ・・・の波動方程式は4つの解を持ち、それぞれに・・・変換を掛けその微分を取ると得られる量子化されたこの方程式が・・・動力を生み出す根拠となり・・・聞いているのかね?フェルマー君。

交易経済学:ジョージ・マイスナー曰く
 ・・・戦争がもたらした金属需要は・・・で、ミョルニール廃坑攻略作戦により・・・このように長期に及んだ戦争の傷跡は深く・・・フェルマー君、その後イズルード商船組合が衰退の一途をたどった理由を述べたまえ!

王国司法学:フリードリッヒ・シュヴェント曰く
 ・・・の裁決に対して・・・これにより不正経理操作が明らかになり、結果、・・・の側が逆転勝訴、転封が確定したのである。だが、キミの志向も授業の方に転封した方が得策のようだね?フェルマー君。

 フォルクゲイン一門の出世を支えた家臣団の大半が、次期当主たる者の教育のためだけに存在したと言う事実がある。
 その課程は実に幅広く、地理・経済・歴史や自然科学・工学各種、基礎となる語学・数学はもちろんのこと、詩歌や演劇といった芸能の分野までカバーしていた。
 教育こそが、我が一門の繁栄の源であり、
 教師たちが、我が一門の存続の礎なのである。
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 しかしながら、このカリキュラムでは、優秀な官吏を育てることはできても、勇猛な武将を育てることはできない。武芸者と軍学者を招かなければ、武門としての栄光を手にすることはできず、加えて我が一門の衰退を止めることはできないはずだ!
 ところが、我が訴えに対し父ウォルフガング・フォルクゲインはこう言い放った。

  「無料(タダ)より高い物は無い」

 経済部門で落第点だった私には、理解に十数年の歳月を要した。
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by fellmer_folkgein | 2005-10-27 22:47 | 王国正史・フェルマー伝