リチャード・ベントラー その苛烈なる人生の幕開け

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 私の自伝を書くに当たって、この人の伝は、絶対に外せない要素である。私はフォルクゲイン一門の異端児であるが、この人は、まさに十字軍の異端児であった。

 その出自には、謎が多い。
 王侯貴族であれば当然だが、市民でも出生の記録は残っているものだ。しかし、この人にはそれが無い。わけあって記録には残せない御身分のお方であれば、噂話の一つも流れて来るものだが、あいにくと、後宮の御婦人方が喜びそうな逸話の一つも無い。

 出身はモロク。
 それ以外の過去は、あまり話したがらないお人であったことから、最底辺の、それも貧民窟の流民出身である可能性が高い。
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 私の転職の際、試験官にこの人の話を聞くことが出来た。我が父に、この人を推薦したのも、このときの試験官その人であったという。
 こいつ、本当に十字軍の試験を受ける気なのか?というような格好だったよ。
 装備は使い込みすぎてボロボロ、武器以外はほぼ手ぶらで、回復材すら用意できないほど金に困っていたと見えたね。
 でもな、好い目をしていたのだよ。目つきは、そう、怖いくらいに鋭いんだが、なんというか、希望の光を宿していたと言えばいいのだろうか・・・。
 ・・・こやつ、只者ではない。そう思わせる何かがあったのだよ。

 まあ、結果は言わんでも分かるだろう。
 仮に、オリデオコン製の武器や精錬された防具が揃っていても、回復材無しではなかなか合格は出来ん試験だ。その全てを持っていない彼に、合格できる要素は無かったのだよ。
 だが、ここで彼の可能性の芽を摘んでしまっては、私の人生の全てが否定されてしまう。そう思ったんだろうな、その時は。
 再試験を受けに来た彼に、合格を告げ、マスタークルセイダーさま宛の推挙状を手渡したのだよ。
 その後の彼の言動や素行を聞くに及んで、激しく後悔したものだがな・・・ハッハッハ

 わが師、リチャード・ベントラーは、神を信ぜず、王を敬わぬ、不敬不遜の問題児でもあったのだ。
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 教会の支援を好まず、遠征にも参加せず、無頼の仲間と戦場を駆け回る日々を過ごしていたのだという。
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by fellmer_folkgein | 2005-12-01 21:16 | 王国正史・フェルマー伝
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